7種類のAIエージェントとは?

【実例付きでわかりやすく解説】
2025年6月18日 by
7種類のAIエージェントとは?
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AIエージェントは近年急速に進化しており、その種類も多様化しています。スマートサーモスタットや自動運転車、チャットインターフェースを備えたAIなど、多くのユースケースが存在します。

本記事では、AIエージェントの代表的な7つのタイプについて、実例とともにわかりやすくご紹介します。

1. 単純反応型エージェント(Simple Reflex Agents)

概要:

現在の環境入力のみに基づいて判断を下すエージェントです。「条件−行動」ルールに従って、入力に応じた動作を即座に実行します。内部モデルや記憶を持たず、完全に観測可能な環境下でのみ効果的に機能します。

実例:

  • 一定温度を下回ると自動で暖房をつけるサーモスタット

  • 障害物にぶつかると方向転換するロボット(例:ルンバ)

  • 「こんにちは」に「こんにちは」と返すシンプルなチャットボット


2. モデルベース反応型エージェント(Model-Based Reflex Agents)

概要:

現在の入力に加え、環境の内部モデルを用いて判断を行うエージェントです。時間の経過とともに環境の状態を記録し、観測できない部分を補完することで、より複雑な意思決定が可能になります。

実例:

  • 部屋のレイアウトを記憶し、既に清掃した場所を避けるロボット掃除機

  • ユーザーとの会話履歴を記憶しながら応答するAIチャットエージェント

  • 試合の過去状況に基づいて動くゲームAI

3. 学習型エージェント

(Learning Agents)

概要:

経験から学び、パフォーマンスを向上させるエージェントです。学習要素、性能要素、評価者、問題生成器の4つの構成要素からなり、試行錯誤を通じて行動を改善していきます。

実例:

  • 市場の動きに応じて取引戦略を調整する暗号通貨AI

  • ユーザーの嗜好を学び、精度を高めるレコメンデーションエンジン

  • 問診データを学習し、トリアージの精度を向上させる医療チャットボット



4. 効用ベースエージェント(Utility-Based Agents)

概要:

最も高い効用(価値)をもたらす行動を選択するエージェントです。単に目標達成を目指すだけでなく、選択肢を評価し、予測される結果に基づいて最善のアクションを選びます。

実例:

  • 成約確率に応じてリードを優先する営業チャットボット

  • リスクと利益のバランスをとって資産を運用するトレーディングAI

  • 会議の重複を避け、効率的なスケジューリングを行うビジネスボット

5. 階層型エージェント(Hierarchical Agents)

概要:

高レベルで抽象的な目標設定を行い、低レベルでは具体的な動作を担当する、階層構造のエージェントです。タスクを細かく分解し、各階層が異なる範囲の意思決定を担います。

実例:

  • 製造ラインで全体の工程を計画する上位エージェントと、ロボットアームを操作する下位エージェント

  • スマート工場における生産スケジュール、機械制御、現場作業の分担

6. 目標ベースエージェント

(Goal-Based Agents)

概要:

設定された目標を達成するために、最適な行動の組み合わせを探索・選択するエージェントです。反応的に動くのではなく、将来の結果を予測して計画的に行動します。

実例:

  • 目的地までの最短ルートを計算するナビゲーションシステム

  • 解答までの手順を探索するパズルAI

  • 組み立てタスクを計画する産業用ロボットアーム


7. マルチエージェントシステム(Multi-Agent Systems)

概要:

複数のAIエージェントが相互に協調または競合しながら、共通または個別の目標を達成するシステムです。各エージェントは独立して行動しつつ、他のエージェントと通信または環境を通じて連携します。

実例:

  • 交差点で互いに衝突を避けながら走行する自動運転車

  • 請求処理、不正検出、レポート作成などを分担する金融AIボット

  • 在庫管理、配送、需要予測を協調して行うサプライチェーンエージェント

カスタムAIエージェントの構築は意外と簡単

現在では、ノーコードでカスタムAIエージェントを構築できるプラットフォームも登場しています。Botpressなどのツールを使えば、視覚的なフロービルダー、企業レベルのセキュリティ、豊富な教育リソースを活用して、オリジナルのAIエージェントを無料で作成できます。

まとめ

AIエージェントは、その構造や判断ロジックに応じて様々な分類が可能です。目的や活用シーンに応じて最適なエージェントタイプを選定することで、ビジネスやサービスにおけるパフォーマンス向上が期待できます。




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