― 温湿度・衝撃センサーで「見える」物流を実現する ―
食品・医薬品・精密機器などを扱う倉庫・物流業務では、「品質管理」と「配送トラブル防止」が日々の大きな課題です。
しかし、現場での温度管理や荷物の扱い状況は、目視や紙の記録では限界があります。
こうした課題を解決するために近年注目されているのが、IoTセンサーを活用したリアルタイムモニタリングです。
本記事では、特に「温湿度センサー」と「衝撃センサー」の実践的な活用方法と導入メリットを紹介します。
🧊 なぜ温湿度・衝撃センサーが重要なのか?
■ 温湿度管理が求められるケース
- 冷蔵・冷凍食品
- ワクチン・血液など医薬品
- 美術品・和紙などの文化財
- 精密電子機器
温度や湿度の変化が品質に直結するこれらの商品は、一定の環境条件を保つことが必須です。
■ 衝撃・振動に弱い商品例
- 精密機器(医療機器、レンズ)
- ガラス製品
- 工業部品・金型
これらは輸送中の落下・乱雑な積み下ろしによる破損リスクが高く、事故が起きても「いつ・どこで・何があったか」が不明になりがちです。
📡 IoTセンサーによる解決策
① 温湿度センサーによるリアルタイム環境監視
倉庫内や冷蔵車両、輸送コンテナにBluetooth/LTE対応の温湿度センサーを設置することで、
- 現在の温度・湿度をリアルタイムに可視化
- 設定した範囲を超えた場合にアラート通知
- 測定値をクラウドに記録し、ログとして保存
→ これにより、問題発生時の証明責任(エビデンス)にも対応可能。
② 衝撃センサーによる輸送品質の「見える化」
荷物やパレットに取り付けたセンサーが、
- 一定G以上の衝撃(落下・横転)を検知
- 振動回数や積載角度の変化を記録
- GPSと組み合わせて、どこで何が起きたかを特定
→ 荷主と運送会社の間のトラブル防止、責任所在の明確化に役立ちます。
🏭 導入による業務改善の実例
✔ ケース①:食品物流会社(冷凍倉庫+配送トラック)
- センサー設置後、配送中の温度逸脱が3ヶ月で80%減少
- ドライバーごとの「温度管理意識」に差が出ていたことを可視化
- 顧客に対して「温度管理証明レポート」を提出し信頼度アップ
✔ ケース②:精密部品を扱う製造業の出荷工程
- 衝撃センサーにより、「輸送中に落下が発生したタイミング」を特定
- 荷扱いに問題がある運送業者を改善指導
- 出荷品質の安定化+破損率を月5件 → 1件未満に抑制
✅ IoTセンサー導入のポイント
項目 | ポイント |
設置場所の選定 | 倉庫内 / コンテナ / パレット単位 / 荷物単位など |
通信方式 | Bluetooth(近距離・省電力)/ LTE(広域)/ LoRa(広域・低速) |
データ保存期間 | ログはクラウド上で1年~保存可能。監査対応にも有効 |
表示方法 | Webダッシュボードやモバイルアプリで可視化 |
導入コストを抑えるため、まずは主要拠点やハイリスク商品からの導入がおすすめです。
🛠 RIKAIによる開発・導入支援
RIKAIでは、IoTセンサーを活用した「倉庫・物流向けDXソリューション」の導入支援を行っています。
- 温湿度・衝撃センサーの選定と設置アドバイス
- クラウド連携・データ可視化ダッシュボードの開発
- アラート通知やレポート出力機能の実装
- WMSや他システムとのAPI連携対応
現場に合わせた柔軟な開発・プロトタイプ提供で、安心してスモールスタートが可能です。
倉庫・物流業務にIoTを導入して業務効率を最大化する方法