報連相 vs チャット文化:どう使い分ける?

2025年4月21日 by
報連相 vs チャット文化:どう使い分ける?
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〜若手とベテラン、世代を超えたコミュニケーション設計〜

1. 報連相とは何か?なぜ日本の現場で大事にされるのか?

「報告・連絡・相談」――略して報連相(ほうれんそう)は、

日本企業の現場で重視されてきた業務コミュニケーションの基本です。

  • 報告:自分の進捗・成果・結果を上司や関係者に伝える

  • 連絡:必要な情報を関係者に共有する

  • 相談:判断に迷うことを事前に共有し、助言を仰ぐ

これは、トラブルの予防・情報共有・責任分担を徹底するために根付いてきた文化です。

2. オフショア現場では“報連相”が機能しにくい?

 主な理由:

  • 曖昧な言葉が多く、行動に結びつきにくい

  • 「いつ・どこまで・どの形式で」報告すべきか明示されない

  • 海外メンバーにとっては“評価される基準”が不明瞭

  • フィードバックが遅く、リズムが崩れる

 ベトナム開発チームの現実:

  • Slack/Chatwork/LINE Works などチャット文化に馴染み深い

  • スピード重視で、報連相よりもリアルタイムなやり取りが主流

  • 「報告・相談しない=自律している」と誤解されることも

3. チャット文化のメリットと落とし穴

◎ メリット:

  • 即時性が高く、状況変化にすぐ対応できる

  • 文脈がタイムラインで残るため、履歴管理がしやすい

  • リモートワーク時代にフィット

▲ デメリット:

  • 情報が流れやすく、見逃し・誤解のリスク

  • 曖昧な言い回しや省略語が増える

  • スレッドが乱立し、管理が煩雑に

4. 両者のいいとこ取りをする“ハイブリッド型コミュニケーション”とは?

 ポイントは「意図を明確に」「ルールを軽やかに」:

目的

方法

ポイント

日々の進捗共有

チャット(Slack, Chatwork)

定時・定型フォーマットを決める(例:朝会・夕会)

イレギュラー報告

チャット+タグ付け

@mention で責任者に確実に通知

判断に迷う相談

オンライン会議/1on1

相談の背景を簡潔に準備しておく

課題・懸念の共有

Google Docs/Notion/Redmineなど

書面で明文化し、履歴と一緒に管理

 チーム運営のTips:

  • 「報告の型」をテンプレ化(例:進捗・課題・次のアクション)

  • 「定例報告+随時チャット」でリズムと柔軟性の両立

  • 「相談しやすい空気」をマネージャーが意図的に作る

5. まとめ:伝え方は文化。だからこそ“設計”するべき

報連相は古い? チャット文化は雑?

いいえ、どちらも目的次第で有効な武器になります。

大事なのは、**チームごとの“伝え方の設計”**です。

日本とベトナムの文化を理解し、共通言語とルールを持つことで、

コミュニケーションは組織の武器になります。

次回予告:

「品質に対する考え方の違いと、その埋め方」

〜日本人の「完璧主義」と、ベトナム人の「まず動く」精神をどう融合させる?〜