日本式マネジメントはオフショアに通用するのか?

2025年4月17日 by
日本式マネジメントはオフショアに通用するのか?
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「進捗どうなってる?」「言わなくても分かるよね?」

日本では当たり前のマネジメントスタイルが、

海外オフショア開発においては伝わらない、響かないことがよくあります。

今回は、日本式マネジメントの特徴を振り返りながら、

それがベトナムなどのオフショア現場で通用するのか?

どうすれば文化の違いを乗り越え、成果につなげられるのか?を解説します。


1. 日本式マネジメントの特徴と課題

日本独特のマネジメントスタイルは、以下のような特徴を持つ一方、海外では通用しづらい側面があります。

特徴

  • 暗黙知と「察する」文化:細かい指示を出さず、相手が「分かるよね」を前提。
  • 報連相(報告・連絡・相談):緻密な情報共有で進捗を管理。
  • 根回しと合意形成:秩序を重んじ、事前に調整を重視。
  • 空気を読むリーダーシップ:責任感と状況察知をベースにした指導。

強み

  • 高品質なプロセス管理と細やかなリスク回避。
  • 長期的な信頼関係の構築。
  • トラブルを未然に防ぐ先回り思考。

課題

  • プロセス重視がアウトプットの明確さを欠く場合がある。
  • 「同じ文化圏」を前提とした暗黙のコミュニケーション。
  • 上下関係や遠慮により、率直な意見が出にくい。

2. ベトナムオフショア現場とのギャップ

ベトナムの開発現場では、日本式マネジメントが期待通りに機能しないケースが頻発します。その背景にある文化の違いとは?

ベトナムの特徴

  • 具体的な指示を重視:「お任せ」は曖昧で混乱を招く。
  • フラットな関係性:オープンなコミュニケーションを好む。
  • 質問を控える傾向:失敗を恐れ、確認をためらう場合も。
  • 個の成長志向:チームより個人としての成果や学びを重視。

具体的なギャップ例

日本式アプローチベトナム側の反応
「大丈夫?」と聞く「Yes」と答えるが、実際の問題が不明。
詳細な指示前に進めてほしい明確な指示がないと作業が止まる。
報連相を期待報告のタイミングや内容が曖昧で不足。

3. 文化の壁を越える実践的アプローチ

日本式マネジメントをオフショア現場で機能させるには、以下の工夫が不可欠です。

(1) 「察する」前提を捨てる

  • 明文化を徹底:仕様、期待値、優先順位を文書や図表で明確に。
  • ブリッジSE(BrSE)+ドキュメント活用:通訳だけでなく、設計書やメモで情報を補完。

(2) 報連相を仕組み化

  • 定例ミーティングの習慣化:毎朝の進捗共有や夕方の振り返りでリズムを作る。
  • チャットツールの活用:「相談→判断→アクション」を迅速に完結。

(3) 信頼を文化横断で築く

  • プロジェクトの「なぜ」を共有:目的や背景を伝え、チームのモチベーションを高める。
  • 成長を評価:成果だけでなく、個人の学びや挑戦を認める文化を醸成。
  • 日本側PMの姿勢:相手の意見を積極的に聞き、受け入れる柔軟さを持つ。

4. リーダーが「文化の翻訳者」になる

オフショア開発の成功は、「日本式」や「ベトナム式」の押し付けではなく、文化の違いを理解し、共通言語を創ることにかかっています。リーダー自身が「文化の翻訳者」となり、双方の強みを引き出すことが鍵です。

Rikaiでは、日本とベトナムのマネジメントスタイルに精通したPMとBrSEが、文化の架け橋となり、信頼と成果の両立をサポートします。文化の壁を越え、プロジェクトを成功に導くパートナーとして、ぜひご相談ください。