第1回:そのシステム、未来に連れていけますか?

― マイグレーションが企業の“止まった時間”を動かす ―
2025年10月9日 by
第1回:そのシステム、未来に連れていけますか?
Pham Le My Linh


はじめに:月次処理に3日属人化した操作

「今の業務システム、動いてはいるけど…」 そんな声を、私たちは現場で何度も耳にしてきました。 

・担当者しか操作できない独自仕様

・サポートが終了したOSやミドルウェア

・外部連携ができない“閉じた”システム  

これらは、かつて企業の成長を支えた“資産”でした。 しかし今、それが「DXの足かせ」「セキュリティの穴」「コストの重荷」になっていませんか?

マイグレーションとは何か?


マイグレーションとは、古くなったIT資産(システム・データ・インフラ)を、より良い環境へ移行する取り組みです。 単なる“引っ越し”ではなく、業務の継続性・データの整合性・セキュリティを保ちながら、企業の未来を再設計するプロセスです。

主なマイグレーションのタイプと目的

移行タイプ

目的

代表例

オンプレ → クラウド

柔軟性・可用性の向上

AWS、Azureへの移行

レガシー → ERP

業務標準化・データ統合

SAP、Oracle Cloud導入

DB移行

パフォーマンス・保守性向上

Oracle → PostgreSQL など

なぜ今、マイグレーションが必要なのか?

1. DXのスタートラインに立つため

古いシステムではAPI連携やデータ活用が困難。マイグレーションは、DXの“土台”を整える第一歩です。

2. セキュリティリスクの排除

サポート切れの環境は、脆弱性の温床。2023年に終了したWindows Server 2012など、放置は危険です。

3. 保守コストの削減と属人化の解消

「この操作は〇〇さんしかできない」――そんな状況を脱却し、標準化・自動化による運用効率化を実現。

よくある誤解と落とし穴


誤解

実際のリスク

「データをコピーすれば終わり」

業務ロジックや連携の再設計が不可欠

「現場は関係ない」

現場の理解と協力がなければ定着しない

「一気にやれば効率的」

段階的な移行が、品質とリスク分散の鍵

現場の声を無視した移行は、定着せずに“形だけのDX”で終わります。 

まとめ:マイグレーションは“未来への再設計”

マイグレーションは、単なる技術的な作業ではありません。 それは、企業が「止まった時間」を動かし、「未来のビジネス」を創るための戦略的な再設計です。  

次回予告

第2回では、実際のマイグレーションプロジェクトで陥りやすい“落とし穴”と、成功のためのステップを徹底解説します。

「自社に合ったマイグレーションの進め方を知りたい方へ」 → [お問い合わせフォームへ]


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