【初心者必見】オフショア開発ガイド|メリット・デメリットなども解説

2024年8月23日 by
【初心者必見】オフショア開発ガイド|メリット・デメリットなども解説
daichi.ito

「IT人材の人件費が高騰しているため、コスト削減方法が知りたい」

「社内にIT人材が不足しており、リソース不足を感じている」

プロジェクトの担当者や企業の経営者のなかには、このような悩みを抱えている方もいるでしょう。

そこで本記事では、オフショア開発の概要から、メリット・デメリットまで詳しく解説します。

オフショア開発パートナーの選定方法も紹介するので、最後まで読めばオフショア開発を活用したコスト削減につながる知識が得られます。

オフショア開発とは?

オフショア開発とは、自国以外の海外の企業や人材にソフトウェア開発を委託することです。

コスト削減やIT人材の確保を目的として行われていて、特にベトナムやフィリピンなどアジア諸国への委託が増加傾向です。

オフショア開発では、言語や文化の違いによるコミュニケーションの課題があるものの、開発リソースを確保できることから活用する企業が増えています。

特に日本国内ではIT人材不足が深刻化しており、オフショア開発はその解決策として注目されています。

オフショア開発の歴史と背景

オフショア開発の歴史は、インターネットの普及とグローバル化の進展により、国境を越えた開発が可能になったことから始まっています。

日本国内でオフショア開発が注目されている背景には、以下の要因があります。

  • IT人材不足
  • オフショア開発国における技術力の向上
  • デジタルトランスフォーメーション(DX)の推進

日本では、少子高齢化や若者のIT離れにより、国内のエンジニア不足が深刻化しています。その中で、オフショア開発国として人気のあるアジア諸国では、ITエンジニアの育成に力を入れており、質の高い人材が増加しています。

また、デジタルトランスフォーメーション(DX)の推進により、企業のIT投資が増加していることも背景の一つです。

開発コストやリソースの削減を実現するために、日本国内でオフショア開発が注目されています。


オフショア開発先の代表的な国

オフショア開発先の代表的な国として、以下の5カ国が挙げられます。

  • ベトナム
  • フィリピン
  • 中国
  • インド
  • ミャンマー

各国のオフショア開発における特徴を紹介します。

ベトナム

オフショア開発白書2023によると、ベトナムはオフショア開発の人気国1位で約48%の企業から選ばれています。

特に、日本語教育に力を入れている点や、時差が少ないこともあり日本企業とのコミュニケーションがスムーズに進められます。

ベトナムの人件費は日本と比較して約1/2と安く、国内でソフトフェアを開発するよりも大幅にコスト削減が可能です。

出典

フィリピン

オフショア開発白書2023によると、フィリピンはベトナムに続いてオフショア開発の人気国2位で約21%の企業から選ばれています。

フィリピンは英語が公用語になっているため、現地スタッフとのコミュニケーションが取りやすいことが特徴です。

IT教育にも力を入れており若い優秀な人材が多く、BPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)の分野でも実績があります。

日本との時差は約1時間しかないため、リアルタイムでの会議や緊急での対応も可能です。

出典:『オフショア開発の一般化』について|「オフショア開発白書(2023年版)」から読み解く

中国

中国は、IT分野で世界トップレベルの技術力を持っており、AIや最新技術に精通したエンジニアも多いです。

以前と比べて人件費の上昇は見られるものの日本と比べると安い傾向にあるので、大規模なプロジェクトや先端技術の開発に適しています。

時差も1時間程度と少なく、コミュニケーションも取りやすいといった点が特徴です。

インド

インドは、英語を公用語としており、高い技術力を持つIT人材が多い点が特徴です。

2005年から初等教育でプログラミング学習が取り入れられていて、日本よりも早い段階からIT人材の育成に取り組んでいます。

一方で、時差や文化の違いが大きいといったデメリットもあり、日本企業とのコミュニケーションやスケジュール管理には工夫が必要です。

出典:文部科学省「未来の学びコンソーシアム 小学校プログラミング教育必修化に向けて」

ミャンマー

ミャンマーは、他のオフショア開発国と比較して人件費が安く、開発コストの大幅な削減が期待できます。

オフショア開発先

開発単価(プログラマーの場合)

ミャンマー

約27万円

フィリピン

約35万円

ベトナム

約40万円

中国

約50万円

インド

約50万円

中国に比べると約1/2のコストでソフトウェア開発が可能です。

また、ミャンマーは日本語教育にも力を入れており、日本企業との親和性が高いのが特徴です。

ただし、インフラ整備や政治情勢が不安定である点など課題もあるため、信頼できるパートナー選定やリスク管理が重要となります。


オフショア開発のメリットや導入理由

オフショア開発の主なメリットや導入理由として、以下の3点が挙げられます。

  • 開発人材が確保できる
  • コスト削減が実現できる
  • 納期短縮につながる

それぞれのメリットや理由について詳しく解説します。

開発人材が確保できる

オフショア開発の最大のメリットの一つは、優秀な開発人材を確保できることです。

日本国内ではIT人材の不足が深刻化しており、必要な人材を見つけることが困難になっています。一方、オフショア開発先の国々では、ITについて教育に力を入れているところも多く、豊富な若手IT人材が多いです。

オフショア開発によって海外の優秀なIT人材を活用し、社内の開発リソース不足を解消できます。

特に、最新技術の導入やデジタルトランスフォーメーション(DX)の推進には、専門的な知識を持つ人材が不可欠であり、オフショア開発は解決策として有効です。

コスト削減が実現できる

オフショア開発を選択する大きな理由の一つに、コスト削減があります。

日本国内でのIT人材の人件費は年々高騰しており、多くの企業の予算を圧迫しています。一方、オフショア開発先の国々では、生活水準の違いから人件費が比較的低く抑えられているのです。

そのため、同じ規模のプロジェクトであっても、国内で開発するより海外に委託したほうが大幅なコスト削減が可能です。

また、オフィススペースの確保や設備投資などの固定費も抑えられるため、企業の総合的なコスト削減につながります。

納期短縮につながる

国内と比べて人件費が安いため、IT人材を複数人確保しやすくなり、納期の短縮が可能になります。

納期が短縮できれば、急なプロジェクトや大規模かつ複雑な開発にも柔軟に対応できます。

その結果、企業の収益性向上にもつながる点もオフショア開発を活用するメリットです。


オフショア開発のデメリット・リスク

オフショア開発には多くのメリットがある一方で、いくつかのデメリットやリスクも存在します。主な課題として以下の3点が挙げられます。

  • コミュニケーションコストが上がる
  • セキュリティリスクが増加する
  • 品質管理が難しい

それぞれのデメリットについて詳しく解説します。

コミュニケーションコストが上がる

オフショア開発における最大の課題の一つは、コミュニケーションコストの増加です。

オフショア開発を行う際、英語でコミュニケーションを取るのが一般的ですが、お互いにネイティブでない場合は誤解が生じやすくなります。

また、文化や仕事スタンスの違いによっても、意思疎通に齟齬が生じる可能性があります。

時差が大きい国に委託した場合は、リアルタイムでのコミュニケーションが難しく、レスポンスに時間がかかることもあるでしょう。

コミュニケーションコストがかかることにより、プロジェクト管理や進捗確認に多くの時間と労力が必要になります。

コミュニケーション上の問題を解決するために、通訳や翻訳サービスの利用、定期的な対面ミーティングの実施などの対策も検討しておきましょう。

セキュリティリスクが増加する

オフショア開発では、社内の機密情報や個人情報を海外に送信するため、データの漏洩リスクが高まります。特に、オフショア開発先によっては、日本ほど厳格な個人情報保護法制が整備されていない場合があります。

さらに、オフショア先の従業員の入れ替わりが激しい場合、情報管理の一貫性を保つことが難しいです。

そのため、国内開発と比べてセキュリティリスクが高まる点が課題と言えます。

品質管理が難しい

日本企業が求める品質レベルと、オフショア開発先の品質基準にギャップがある場合があります。

また、直接的なコミュニケーションが難しいため、細かな要求や変更の伝達がスムーズに行われない場合、認識の齟齬が生じやすくなります。

品質管理を徹底するためには、品質や評価基準の設定、詳細な仕様書の作成、定期的な品質レビュー、テスト工程の強化などが必要です。


オフショア開発のパートナー選定方法

オフショア開発を成功させるには、適切なパートナーを選ぶことが重要です。以下の4つのポイントを押さえて、信頼できるパートナーを見つけましょう。

  • 開発実績と技術スタックの確認
  • お試し期間の活用
  • テキスト以外でのコミュニケーション
  • 品質管理体制の確認

それぞれの選定方法について詳しく解説します。

1.開発実績と技術スタックの確認

まず、オフショア開発先の過去の開発案件や実績を、詳細にチェックすることが重要です。特に日本企業のプロジェクトを多く手がけているパートナーを選ぶことが望ましいでしょう。

また、使用言語やフレームワーク、開発環境などの技術スタックが自社のプロジェクトに適しているかを確認します。例えば、JavaScriptやPythonなどの特定の言語に強みを持つ会社を選ぶことで、スムーズな開発が期待できます。

開発実績や技術スタックの情報は、会社のWebサイトやポートフォリオ、顧客の声などから確認できます。必要に応じて、直接問い合わせることも有効です。

2.お試し期間を活用する

初めてオフショア開発のパートナーと提携する際には、お試し期間を設けて相性を確かめることをおすすめします。

お試し期間中は、小規模なプロジェクトや一部の機能開発を依頼し、実際の作業プロセスや成果物の品質、コミュニケーションの円滑さなどを確認します。

お試し期間を活用することで、大規模なプロジェクトを任せる前に、パートナーとしての適性を判断できます。

例えば、1〜2週間程度の短期プロジェクトを依頼し、デイリーミーティングの実施や成果物の提出方法など、実際の開発フローを体験してみるのも良いでしょう。

3.事前にテキスト以外でもコミュニケーションをとる

言葉の壁や文化の違いを乗り越えるためには、コミュニケーション能力の高いエンジニアやプログラマーの在籍数を確認することが重要です。

事前に、ビデオ会議やオンライン面談を実施し、実際にコミュニケーションを取ってみましょう。日本語や英語でのスムーズなコミュニケーションが可能か、文化や仕事スタンスにどのような違いがあるかなどを確認します。

また、コミュニケーションツールの使用状況や、緊急時の連絡体制なども確認しておくと良いでしょう。

4.品質管理体制が整っている

最後に、品質維持のノウハウを持ち、社内の品質管理チームが機能していることを確認しましょう。

具体的には、品質管理のプロセスやツール、テスト手法などを確認します。例えば、単体テスト、結合テスト、システムテストなどの各段階でどのような品質チェックを行っているか、自動テストツールを導入しているかなどを聞いてみましょう。


オフショア開発の事例紹介

オフショア開発の具体的な成功事例として、株式会社RIKAIの3つの事例を紹介します。

  • 旅行保険管理システム開発
  • 住宅申請書類処理システムのAWS構築
  • EC-Cubeを使ったECサイト構築

それぞれの事例について詳しく紹介します。

旅行保険管理システム開発

株式会社RIKAIは、大手保険会社向けに少額の旅行保険管理システムの開発を行いました。

少額の旅行保険管理システムには、旅行保険の契約や見積り、契約内容の保管、ユーザーのマイページといった機能が備わっています。

詳しくは「少額の旅行保険管理システム」をご覧ください。

開発期間は5か月間で、システム設計・実装・テストまで対応しました。

住宅申請書類処理システムのAWS構築

次に、不動産会社向けの住宅申請書類処理システムのAWS構築事例を紹介します。

開発期間は12か月間で、開発から公開まで対応しました。

詳しくは「住宅申請書類処理システムのAWS構築」をご覧ください。

EC-Cubeを使ったECサイト構築

最後に、中小企業向けにEC-Cubeを使用したECサイトの構築事例を紹介します。

EC-Cubeには注文画面や支払い画面が搭載されており、開発期間は12か月間です。

詳しくは「EC-Cubeを使ったECサイトの構築」をご覧ください。


オフショア開発の今後と展望

オフショア開発は、今後さらに重要性を増していくと予想されます。考えられる今後の展望について以下の2点を解説します。

  • DX推進とオフショア開発
  • オフショア開発市場の成長予測

それぞれについて詳しく解説します。

DX推進とオフショア開発

デジタルトランスフォーメーション(DX)の推進は、多くの企業にとって重要な課題となっています。

しかし、DXの実現には高度なIT技術やスキルを持つエンジニアが必要です。国内ではIT人材の確保が難しくなっているため、オフショア開発の活用がさらに進むことが予想されます。

例えば、AI・機械学習、IoT、ブロックチェーンなどの最新技術を活用したシステム開発において、オフショア開発の需要が高まるでしょう。

オフショア開発市場の成長予測

日本国内向けのオフショアサービス市場は、年々増加傾向にあります。特に、ベトナムやフィリピンなど、日本語対応力の高い国々からのオフショア開発の需要が高まっていくことが予想されます。

企業はオフショア開発を活用することで、経営効率を向上させ、グローバル市場での競争力を強化することが期待されます。


まとめ

オフショア開発は、コスト削減や人材確保、納期短縮などのメリットがある一方で、コミュニケーションコストやセキュリティ、品質管理などの課題もあります。

メリットを最大化し、リスクを最小化するためには、適切なパートナー選定が重要です。

株式会社RIKAIでは、これまで500件以上のシステム・アプリ開発実績があり、300人以上の高い技術を持ったエンジニアと品質管理部門が品質の高い開発を行います。

オフショア開発を検討しているプロジェクトの担当者や、企業の経営者の方は、ぜひ株式会社RIKAIにお問い合わせください。

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