「コスト削減のためにオフショア開発を検討しているけど、本当にうまくいくのか心配」
「失敗事例を聞くと、踏み出す勇気が出ない」
オフショア開発を検討している方の中には、上記のような悩みや不安を抱いている方もいるでしょう。
オフショア開発は、上手く活用すれば、コスト削減や人材確保など、多くのメリットをもたらしてくれる反面、コミュニケーションの齟齬や品質の低下といったリスクも潜んでいます。
そこで本記事では、オフショア開発のメリット・デメリット、失敗を防ぐための具体的な方法などを解説します。
本記事を読めば、オフショア開発が自社に合っているかどうかの判断ができ、リスク回避のためのポイントも理解できるでしょう。
オフショア開発のデメリット
オフショア開発のデメリットは、下記の通りです。
- コミュニケーションによる齟齬が起きやすい
- 品質管理が難しい
- 小規模案件はコストメリットが小さい
各デメリットについて詳しく解説します。
コミュニケーションによる齟齬が起きやすい
オフショア開発では、開発チームとクライアントが異なる国や地域に分散していることが一般的です。
そのため、言語の壁や文化の違いから、意思疎通がうまくいかず、誤解が生じやすいという問題があります。
具体的には、下記のような問題が挙げられます。
- 国や地域特有の専門用語やスラングによる誤解が生じやすい
- 時差でリアルタイムでのコミュニケーションが難しい場合がある
- ビジネス慣習や価値観の違いから、コミュニケーションが円滑に進まない可能性がある
上記のような問題を解決するためには、事前に詳細な仕様書を作成する必要があります。また、翻訳ツールやビデオ会議などを活用し、定期的なコミュニケーションを図ることも大切です。
品質管理が難しい
オフショア開発では、開発現場を直接見ることが難しいため、品質管理が難しいという課題があります。
開発中の進捗状況を正確に把握できず、最終的に納品された品質が期待値に達していないというケースも少なくありません。
具体的に、品質管理が難しい理由は下記の通りです。
- 開発現場が遠隔地にあるため、直接品質をチェックできない
- コミュニケーションが円滑に行えない場合、品質に関するフィードバックが遅れたり、正確に伝わらない可能性がある
- 開発プロセスや品質基準に対する理解が不足している場合、開発者が適切な品質の製品を作成できない可能性がある
上記のような問題を解決するためには、事前に詳細な品質基準を設定し、定期的なレビューの実施が必要です。
また、信頼できるオフショア開発パートナーを選べば、品質を担保できるでしょう。
小規模案件はコストメリットが小さい
オフショア開発は、大規模なプロジェクトほどコスト削減効果が大きくなります。
一方で、小規模なプロジェクトでは、コミュニケーションコストや管理コストが相対的に大きくなり、コスト削減効果が薄れてしまう可能性があります。
そのため、小規模案件の場合、国内のエンジニアに依頼する方が、コストパフォーマンスが良い可能性があります。
オフショア開発のメリット
オフショア開発のメリットは、下記の通りです。
- 開発コストを抑えられる
- IT人材不足の解消につながる
- 対応できる開発の幅が広がる
各メリットについて詳しく解説します。
開発コストを抑えられる
オフショア開発最大のメリットは、開発コストを大幅に削減できることです。
特に人件費が比較的低いアジア諸国などを開発拠点にすれば、日本国内の開発と比較して大幅なコスト削減に期待できます。
開発コストを抑えられる具体的な理由は、下記の通りです。
- 海外のエンジニアの人件費は、日本に比べて安いケースが多い
- オフィススペースや機材の費用などの自社開発にかかる固定費を削減できる
- 時差を利用すれば24時間体制での開発が可能になり、開発期間を短縮できる
少しでも人件費の安い国に開発を依頼することで、より開発コストを抑えられるでしょう。
IT人材不足の解消につながる
日本国内では、IT人材の不足が深刻な問題となっており、経済産業省の調査によると、2030年には約58万人のIT人材が不足すると予測されています。
しかし、海外には日本よりも多くのITエンジニアがいるため、オフショア開発を活用すれば、人材不足の問題を解消できます。
対応できる開発の幅が広がる
オフショア開発では、海外エンジニアの専門性を活用することにより、国内で対応が難しい開発分野もカバーできるようになるでしょう。
そのため、自社では対応が難しい開発案件にも取り組める可能性があります。
対応できる開発の幅が広がる具体的な理由は、下記の通りです。
- 様々なプログラミング言語に対応できるエンジニアを確保できる
- 新しい技術やフレームワークを早くから導入し、開発に活用できる
上記の理由から、新たな技術を取り入れたプロジェクトや大規模システムの構築もスムーズに進行できます。
また、海外市場向けのサービス開発にも対応できるでしょう。
オフショア開発が不向きなケースとは?
オフショア開発が不向きなケースは、下記の通りです。
- デザイン性が求められる案件
- 短期間での納品が求められる案件
- 日本特有の技術や考え方を要する案件
それぞれの案件が、オフショア開発に不向きな理由を詳しく解説します。
デザイン性が求められる案件
デザイン性の高いウェブサイトやアプリの開発は、下記の理由からオフショア開発に適さないケースが多いです。
- 日本のトレンドや好みを正確に把握していない海外の開発チームでは、意図したデザインを実現するのが難しい
- デザインに関する指示は、言葉だけでは伝えにくく、誤解が生じやすい
- コミュニケーション不足が原因で、何度も修正が必要になり、開発期間が長引く可能性がある
上記の理由から、オフショア開発では表現の細部まで徹底するのが難しく、日本のユーザーに合わせたデザインやUI/UXが求められるような開発には向いていません。
短期間での納品が求められる案件
短納期で開発を完了させたい場合、オフショア開発は必ずしも最適な選択肢ではありません。短納期の案件にオフショア開発が不向きな理由は、下記の通りです。
- リアルタイムでのコミュニケーションが難しく、問題発生時の対応が遅れる可能性がある
- 誤解や確認作業が発生しやすく、開発プロセスが遅延する可能性がある
プロジェクトの早期公開が求められるようなキャンペーンサイトの制作や、緊急性の高いバグ修正などの場合、国内の開発会社に依頼したほうが確実と言えます。
日本特有の技術や考え方を要する案件
日本の法律や規制、社会的な慣習に深く根ざしたシステム開発などは、下記の理由からオフショア開発では対応が難しい場合があります。
また、日本国内でしか通用しない技術や規格を使用している場合も、海外の開発チームでは対応が難しいでしょう。
そのため、厳格なセキュリティ基準や法規制に対応する必要がある、金融機関向けのシステムや行政機関向けのシステムなど、特有の知識やノウハウが必要な開発には向いていないとも言えます。
オフショア開発に向いているケース
オフショア開発に向いているケースは、下記の通りです。
- 保守運用案件
- マイグレーションの案件
- 仕様が決まっている案件
それぞれの案件が、オフショア開発に向いている理由を詳しく解説します。
保守運用案件
システム開発後、長期にわたって保守運用が必要な場合、オフショア開発はおすすめです。保守運用にオフショア開発が向いている理由は、下記の通りです。
- 人件費が比較的安いため、継続的に発生する保守運用コストを削減できる
- 特定のシステムや技術に精通したエンジニアを、比較的容易に確保できる
あらかじめ仕様=実施内容が決まっている保守対応は、海外の開発チームに安く依頼できるメリットは大きくなります。
マイグレーションの案件
既存システムから新しいシステムへ移行するマイグレーション案件も、オフショア開発が向いています。
既存システムの刷新は、要件次第では、0から新規開発する案件と比較して難易度が低くなることもあります。
そのため、あらかじめマニュアルが用意されているマイグレーション案件は、オフショア先でも対応しやすい開発案件と言えるのです。
仕様が決まっている案件
要件定義によって、開発範囲が明確になっている案件は、オフショア開発に適しています。
仕様が決まっている案件にオフショア開発が向いている理由は、下記の通りです。
- 開発チームとの間で誤解が生じにくい
- 品質管理がしやすい
- 開発コストを正確に予測しやすい
上記の理由から、初期段階で明確に仕様が決まっており、追加の要件変更が少ないウォーターフォール型の開発や、パッケージソフトのカスタマイズなどに、オフショア開発は向いていると言えます。
オフショア開発の失敗リスクを回避する方法
オフショア開発の失敗リスクを回避する方法は、下記の通りです。
- コミュニケーションツールと管理体制の強化
- ブリッジSEの活用
- オフショア開発会社に委託
それぞれの方法について詳しく解説します。
コミュニケーションツールと管理体制の強化
オフショア開発において最大の課題は、時差や言語の違いによるコミュニケーションの遅れや誤解です。
上記のような問題を回避するためには、チャットやビデオ会議ツールを活用し、こまめな連絡と進捗管理を徹底しましょう。
また、定期的なオンラインミーティングを実施すれば、状況のすり合わせや課題の共有がスムーズになります。
コミュニケーションツールと管理体制の強化により、チーム間の連携が円滑に進み、進行中のトラブルも早期に発見できるでしょう。
ブリッジSEの活用
言語や文化の違いを埋めるために、ブリッジSE(システムエンジニア)を活用する方法もおすすめです。
ブリッジSEを活用すれば、現場とオフショア開発チームとの間を仲介し、技術面や業務面でのコミュニケーションギャップを解消してくれます。
ブリッジSEは双方の立場を理解し、スムーズな情報伝達を図る役割を担っているため、プロジェクトの成功率を大幅に向上させられるでしょう。
オフショア開発会社に委託
信頼できるオフショア開発会社に業務を委託することも、リスクを低減する1つの方法です。
オフショア開発会社は、長年の経験とノウハウに基づいた品質管理やリスク対策など、管理体制が整っているため、安心してプロジェクトを任せられます。
オフショア開発会社の1つである、RIKAI株式会社はベトナムに拠点を持っています。これまでに500件以上の開発実績があり、経験豊富なエンジニアが300人以上在籍中です。
オフショア開発を考えている方は、ぜひRIKAI株式会社にお問い合わせください。
オフショア開発とニアショア開発の違い
ニアショア開発とは、日本国内または近隣国に開発を委託する開発手法です。
オフショア開発とニアショア開発の違いを下記にまとめました。
項目 | オフショア開発 | ニアショア開発 |
開発場所 | 遠隔地(主にアジア) | 日本国内または近隣国 |
コスト | 低コスト | オフショアに比べてやや高コスト |
コミュニケーション | 言語・文化の違いによる課題あり | 日本語でコミュニケーションがとれる |
時差 | 時差がある | 時差が少ない、または無い |
品質管理 | 品質管理が難しいケースもある | 品質管理が比較的しやすい |
納期 | 納期遅延のリスクが高い | 納期遅延のリスクが低い |
オフショア開発とニアショア開発には、それぞれメリットとデメリットがあります。
どちらを選ぶべきかは、プロジェクトの規模、開発期間、コスト、求められる品質など、様々な要因を考慮したうえで、自社のプロジェクトに最適な開発手法を選びましょう。
まとめ
オフショア開発はコスト削減や人材不足の解消など多くのメリットがある一方で、コミュニケーションの齟齬や品質管理の難しさといったリスクも抱えています。
特にデザイン重視や短期間での納品が必要な案件には不向きであり、適切な管理体制が不可欠です。
しかし、慎重な計画と信頼できるパートナー選びにより、上記のようなリスクは十分に回避できます。
オフショア開発を検討されている方には、実績豊富なRIKAI株式会社に開発を委託するのがおすすめです。
RIKAI株式会社は、オフショア開発の専門会社として、500件を超えるアプリやシステム開発の実績があり、丁寧な管理と高品質な成果物を提供しています。
コストを抑えた開発をしたいものの、オフショア開発に不安を感じている方は、RIKAI株式会社へぜひお気軽にご相談ください。
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