オフショア開発価格ガイド:2024年最新情報と成功戦略

2024年8月8日 by
オフショア開発価格ガイド:2024年最新情報と成功戦略
daichi.ito

「国内での開発コストが高騰し、人材も不足している」

「オフショア開発を取り入れたいが、価格面が気になる」

IT企業の経営者やプロジェクトの担当者の中には、このような悩みを持っている方もいるでしょう。

オフショア開発によってコスト削減・人材確保が可能ですが、価格が高騰している点も事実です。

本記事では、オフショア開発の価格動向と6か国の価格を詳しく紹介します。

開発価格を抑えるポイントについても紹介するため、最後まで読めば自信を持ってオフショア開発を進められるでしょう。

オフショア開発の価格動向と背景

日本国内の開発コストの高騰やIT人材不足により、オフショア開発の価格動向が注目されています。

オフショア開発の価格動向と背景について以下の2点を紹介します。

  • オフショア開発の市場
  • オフショア開発市場の規模と今後の予測

市場規模や今後の予測などを詳しく解説します。


オフショア開発の市場

日本国内の2017年に実施された総務省の「オフショアリングの進展とその影響に関する調査研究」によると、2005年には636億円に達し、2010年には1,995億円になると予測されていました。

また、2024年の世界のITアウトソーシング市場規模は約6,200億ドルと見られ、1ドル=151円とすると94兆円程度です。

2029年には約8,000億ドルになると予測されており、同じく1ドル=151円とすると約120兆円と、2024年と比較して約1.3倍成長すると見込まれています。

巨大な市場規模と成長率は、オフショア開発の需要が年々高まっていることを示しています。

今後も多くの企業がコスト削減と技術力の向上を求めて、オフショア開発を選択する傾向が強まると考えられるでしょう。

出典:Mordor Intelligence IT Outsourcing Market Size & Share Analysis - Growth Trends & Forecasts (2024 - 2029)


オフショア開発市場の規模と今後の予測

オフショア開発市場は今後も拡大していくと予測され、その背景には以下のような要因が挙げられます。

一つは日本国内のIT人材の不足です。経済産業省の調査によると、2016年時点で不足しているIT人材は約1.5万人、2020年には約4.8万人が不足すると予測されています。

次に、オフショア開発に対する心理的・技術的なハードルの低下が挙げられます。

インターネット環境の整備やコミュニケーションツールの発達により、海外拠点との連携がスムーズに行えるようになった点も、市場拡大の要因の一つです。

国内のIT人材不足やオフショア開発に対する心理的・技術的なハードル低下は今後も続くことが予測されるため、オフショア開発市場はさらに拡大していくと考えられます。

出典:経済産業省「IT人材育成の状況等について」


国別オフショア開発価格の詳細比較

国別のオフショア開発価格を以下の表にまとめました。


人月単価 (万円)

プログラマー

シニアエンジニア

ブリッジSE

PM

中国

50.01(+20.00%)

61.79(+18.68%)

79.29(-6.48%)

92.14(7.43%)

ベトナム

40.22(+26.75%)

49.13(+23.20%)

57.73(+12.44%)

79.38(+37.00%)

フィリピン

35.83(-1.15%)

53.33(+7.46%)

81.25(+14.32%)

70.83(+7.60%)

ミャンマー

27.47(+12.25%)

54.16(+42.96%)

68.33(+40.63%)

97.50(+55.23%)

バングラデッシュ

44.13(+48.90%)

46.13(+16.38%)

90.96(+30.62%)

58.63(+27.27%)

インド

50.83(+46.41%)

68.75(+33.34%)

94.29(+38.72%)

111.43(+32.81)

* 括弧内は昨年からの変化率

* 本年よりブリッジSEとPMの集計方法を変更(日本人ブリッジSE・PM単価を除外)

多くのオフショア開発国で、昨年よりも価格が高騰していることが確認できます。価格が高騰している原因については後述するため、ここでは主要なオフショア開発先の価格動向と特徴について紹介します。

以下はオフショア開発白書のデータを参考にまとめています。

出典:『オフショア開発の一般化』について|「オフショア開発白書(2023年版)」から読み解く


ベトナム

ベトナムは、オフショア開発先として選ばれる国の48%を占めており、1位のシェア率を誇ります。

オフショア開発単価(シニアエンジニアの場合)は昨年と比較して約23%上昇していることが確認できます。ベトナムのオフショア開発価格が高騰している理由としては、IT人材の技術力向上が挙げられるでしょう。

ベトナムはIT教育に力を入れているため、優秀で若い人材が豊富です。また、政府のIT産業の促進を積極的に進めており、エンジニアの技術力は今後もますます向上するでしょう。

ベトナムでのオフショア開発について詳しく知りたい方は「ベトナムオフショア開発とは?失敗しないための必要知識を紹介」をご覧ください。


フィリピン

フィリピンは、シェア率は全体の21%で、オフショア開発先として選ばれる国の中ではベトナムに次いで2位となっています。

公用語が英語なため、コミュニケーションが円滑になりやすい点が特徴です。

BPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)の分野で知られているフィリピンですが、IT分野でも優れた技術者が多数います。

開発コストはベトナムよりやや高めですが、コミュニケーションの円滑さと品質の高さで選ばれることが多いです。


中国

中国は、巨大なIT市場と豊富な人材を誇ります。

中国も約18%価格が上昇(シニアエンジニアの場合)しており、他のオフショア開発国と比較すると、価格は高めではあります。

中国のIT開発における技術力は世界トップレベルであるため、価格も高騰していると考えられます。

コスト面だけではメリットが減少していますが、技術力とコストのバランスを検討すると、中国は魅力的なオフショア開発先だと言えるでしょう。


インド

インドは、昨年と比較するとオフショア開発価格が約33%(シニアエンジニアの場合)も上昇しています。

ブリッジSEの人月単価は6か国の中で最も高いため、インドに開発委託する場合は、英語がコミュニケーションが取れる体制を構築することがおすすめです。

英語でコミュニケーションが取れれば、ブリッジSEを挟まなくてもプロジェクトを進行でき、コスト削減につながります。


ミャンマー

ミャンマーは、近年注目されている新興のオフショア開発先です。人件費が非常に低く、コスト削減を重視する企業にとって魅力的な選択肢となります。

しかし、昨年と比較すると価格は約42%も上昇(シニアエンジニアの場合)しており、ベトナムとほとんど変わらない価格帯になっています。

IT人材の技術力が向上していることで価格も上昇しているため、コスト面や技術面のバランスが取れた開発国であると言えるでしょう。


オフショア開発の一般的な費用内訳

オフショア開発の費用は、以下の項目によって構成されています。


  • 人月:1人の技術者が1か月間働く際にかかるコスト
  • 開発工数:プロジェクト全体に必要な作業時間の合計
  • 設計費用:ブリッジSEやPMが設計書を作成したり、それを翻訳したりする費用
  • 通信費用:日本と現地との連絡にかかる費用
  • オフィスの賃貸料など:現地にプロジェクト専用のオフィスを用意する場合の、賃貸料や光熱費


オフショア開発費用の大部分が人件費で構成されており、一般的には「エンジニアの人月単価×開発工数」で計算できます。


オフショア開発の価格高騰について

数年前と比べて、オフショア開発の価格は確実に高騰しています。その背景には、以下のような要因が挙げられます。

  • 需要の増加
  • 円安の影響による人件費高騰
  • エンジニアの技術力向上

それぞれの要因について詳しく解説します。


需要の増加

日本国内でのIT化推進に伴い、オフショア開発の需要が急増しています。

特に、国内のエンジニア不足や採用コストの高騰により、多くの企業がコスト削減と技術力の向上を目的に、オフショア開発を選択するようになりました。

そのため、オフショア開発の市場が拡大し、需要の増加が価格の上昇を招いています。


円安の影響による人件費高騰

円安によって相対的に日本円の価値が下がると、海外で人材を雇うための費用が上昇します。

また、中国やインドなど経済成長率の高い国では、毎年給与水準が上昇しており、これも人件費高騰の一因となっています。

一方、ベトナムなどは比較的安価な人件費を維持しているものの、全体的な上昇傾向は避けられない状況です。


エンジニアの技術力向上

オフショア開発の手法が成熟するにつれ、エンジニアの技術力も大幅に向上しています。

そのため、より高度な案件を受注できるようになり、それに伴って単価も上昇しています。

高度な技術力を持つエンジニアが増えることで、品質の高い開発が可能となり、結果として価格が高騰する傾向にあります。


オフショア開発の費用を抑えるポイント

オフショア開発の費用を抑えるためには、下記のポイントを押さえる必要があります。

人件費の安い国を選ぶ

  • 実績豊富な開発会社を選ぶ
  • 明確に要件定義を設定する

それぞれの具体的な方法を紹介します。


人件費の安い国を選ぶ

オフショア開発の費用を抑えるためには、人件費が安い国・地域を選定することが最も効果的です。

例えば、ベトナムやフィリピンなどは、人件費が比較的低く抑えられるため、開発コストを大幅に削減できます。

RIKAI株式会社はベトナムに拠点を持ち、採用コストがかからないため、低価格な開発が可能です。


実績豊富な開発会社を選ぶ

過去に類似案件の開発実績がある会社を選ぶことも重要です。

実績豊富な開発会社は、スムーズな開発が可能で品質の高い成果物が期待できます。

また、日本語対応が可能な会社やエンジニアを選ぶと、コミュニケーションも円滑に進み、余計な工数を省けます。

その結果、開発の効率が向上し、コストの削減に繋がります。


明確に要件定義を設定する

開発内容を明確に定義することで、無駄な工数を削減しコストを抑えられます。

例えば、具体的な仕様書や資料を詳細に作成し、エンジニア間で共有することが重要です。

要件定義が明確になれば、認識の齟齬によるトラブルや品質低下を防ぎ、スムーズに開発スケジュールを進行できます。その結果、無駄なコストを抑えられるでしょう。


まとめ

オフショア開発価格は近年上昇傾向にあります。考えられる要因としては、需要の増加や人件費の高騰、技術力の向上などが挙げられます。

オフショア開発の費用を抑えるためには、以下のポイントが重要です。

  • 人件費の安い国を選ぶこと
  • 実績豊富な開発会社を選ぶこと
  • 明確な要件定義を設定すること

上記のポイントを押さえることで、無駄なコストを抑えて品質の高いオフショア開発が可能となります。

オフショア開発について詳しく知りたい方は「【初心者必見】オフショア開発ガイド|メリット・デメリットなども解説」をご覧ください。


RIKAI株式会社はベトナムに拠点を持ち、500件以上のシステム・アプリ開発実績があるオフショア開発会社です。

日本語対応可能なエンジニアの選定も可能なため、エンジニア採用のコストがかからないことから、低単価での開発が可能です。

価格を抑えてオフショア開発をしたいと考えている方は、ぜひRIKAI株式会社にお問い合わせください。

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