ベトナムが親日国家である理由を歴史・文化・経済的な背景から解説

2024年11月15日 by
ベトナムが親日国家である理由を歴史・文化・経済的な背景から解説
daichi.ito

近年、日本とベトナムの経済関係がますます深まり、多くの日本企業がベトナムに進出しています。

しかし、なぜベトナムは日本企業にとって魅力的な国なのでしょうか?

その背景には、歴史的な繋がりや文化的な共通点、そして経済的な相互依存関係が存在します。

本記事では、ベトナムが親日国家である理由を、歴史、文化、経済の3つの側面から詳しく解説します。

ベトナムでのビジネス展開を検討している方や、両国間の関係に興味のある方は、ぜひ最後までご覧ください。


【歴史的な背景】ベトナムが親日国家である理由

歴史的な背景から、ベトナムが親日国家である理由は、下記の通りです。

  • ホイアンと日本人町
  • 戦後支援とODA
  • 歴史的建造物支援

それぞれの理由について解説します。


ホイアンと日本人町

ベトナムが親日国家となった歴史的背景には、古くから続く両国の交流が深く関わっています。

16世紀から17世紀にかけて、日本の商人がベトナムにある現在のホイアンに集まり、日本人町を作りました。

日本人町は、日本とベトナムの貿易や文化交流の中心地として栄え、「日本橋(チュアカウ)」と呼ばれる橋は、両国の友好関係の象徴として現在も残っています。

ホイアンの古い街並みには、当時の面影を残す建物や寺が数多くあり、日本との歴史的なつながりを物語っています。


戦後支援とODA

ベトナム戦争終結後の1975年以降、日本はODA(政府開発援助)を通じてベトナムの復興を支援してきました。

特に、電力・エネルギー分野では、日本はベトナムの発電容量の約14%を支援し、インフラ整備や人材育成にも貢献しています。

そのため、ベトナムの人々の間に日本に対する感謝の気持ちが根付いているのです。

日本の継続的な支援は、ベトナム人にとって「親しみやすい存在」としての日本のイメージ形成に大きく貢献していると言えるでしょう。

引用:JICA(国際協力機構)|日本の対ベトナムODA概要


歴史的建造物支援

日本のODAは、ベトナム各地での重要な建造物の建設にも大きな役割を果たしてきました。

例えば、南部の「カントー橋」は日本の援助で建設され、地域の経済発展を促進しました。

また、ハノイの「ニャットタン橋」や「ノイバイ空港」も日本の支援によるもので、いずれも「日本橋」としてベトナム人に親しまれています。

これらの歴史的建造物は、日本とベトナムの友好関係を象徴する存在として、両国のさらなる交流を促しています。


【文化的な背景】ベトナムが親日国家である理由

文化的な背景から、ベトナムが親日国家である理由は、下記の通りです。

  • 食文化の交流
  • 文化イベントの開催
  • 留学・労働者交流

それぞれの理由について詳しく解説します。


食文化の交流

日本とベトナムの友好関係を深めている理由の1つに、両国の食文化の交流があります。

日本では、ベトナム料理の「フォー」や「春巻き」が広く親しまれ、多くのレストランで提供されています。

一方ベトナムでは、「寿司」や「ラーメン」といった日本食が人気で、ハノイやホーチミンをはじめとした都市には数多くの日本食レストランが存在します。

食を通じて、両国の国民は互いの文化に触れ、親しみのある関係が築かれていると言えるでしょう。


文化イベントの開催

毎年ハノイやホーチミンで開催される「ジャパンフェスティバル」は、両国間の友好を深める重要な文化イベントの一つです。

このイベントでは、日本のアニメ、マンガ、音楽、伝統芸能などが紹介され、多くのベトナム人が参加します。

特にアニメやマンガなどのポップカルチャーは、ベトナムの若い世代に人気で、日本への関心が高まる一因と言えるでしょう。


留学・労働者交流

現在、日本の大学には多くのベトナム人留学生が在学しており、彼らは日本で学ぶことで日本社会や文化への理解を深めています。

また、日本で働くベトナム人労働者も増えており、経済交流を活発化させています。

日本に滞在したベトナム人たちが帰国後、日本との架け橋となり、両国間の友好関係を促進しているのも、親日国家である要因の1つと言えるでしょう。


【経済的な背景】ベトナムが親日国家である理由

経済的な背景から、ベトナムが親日国家である理由は、下記の通りです。

  • 日本企業の投資
  • サプライチェーンの多様化

それぞれの理由について詳しく解説します。


日本企業の投資

トヨタ自動車やホンダ、パナソニックなど、多くの日本企業がベトナムに工場を建設し、数万人を超える地元の人々を雇用しています。

特に、ホーチミン市近郊の「タンロン工業団地」をはじめとした工業団地には、日本企業の製造拠点が集中しており、ベトナムの経済発展に大きく貢献しています。

これらの企業の活動を通じて、ベトナムの人々は日本製品や日本企業に対する信頼を深め、日本への親近感を抱いていると言えるでしょう。


サプライチェーンの多様化

コロナ禍後、多くの日本企業はサプライチェーンのリスク分散を図るため、中国依存を減らし、ベトナムを新たな製造拠点として選択しています。

例えば、Appleは日本のサプライヤーと連携してベトナムでの部品生産を進めており、ベトナムの経済成長を支援する形となっています。

上記のような経済的な繋がりが、ベトナムの人々の間に日本に対する好印象を与え、親日感情を高める要因の1つになっているでしょう。


まとめ

ベトナムが親日国家である理由は、歴史、文化、経済のさまざまな側面で日本と深く結びついているからです。

16世紀から続く歴史的な繋がりに加え、戦後のODA支援や文化イベントの開催、日本食の浸透など、両国の交流は多岐にわたります。

また、日本企業の投資やサプライチェーンの拠点化により、経済面での相互関係も強化されています。

こうした背景を理解しておけば、ベトナムでのビジネス展開や人材活用において円滑なコミュニケーションや効果的な戦略が行えるでしょう。

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