オフショア開発先の人気国比較ランキング7選!選ばれている理由も解説

2024年8月30日 by
オフショア開発先の人気国比較ランキング7選!選ばれている理由も解説
daichi.ito

「オフショア開発先として人気の国はどこ?」

「オフショア開発先はどのように選べばよいのだろうか」

このように感じているIT部門の責任者や、ITプロジェクトマネージャーの方もいるのではないでしょうか?

人件費やオフショア開発における特徴は、各国によって異なります。

そこで本記事では、オフショア開発先として人気の国6か国を、経済成長率が高い順にランキングで紹介し、上位になっている理由を解説します。

最後まで読めば、人気の国と理由がわかるため、オフショア開発先としてどこの国を選ぶと良いか理解できるでしょう。


オフショア開発先の人気国(経済成長率)ランキング

オフショア開発先の人気国を「経済成長率」が高い順にランキング付けし、紹介します。

経済成長率が高いと経済が好調になりやすい傾向があり、技術力の進歩も期待できるため、オフショア開発先を選ぶ際の選定基準として考えやすいでしょう。

以下の表に各国の順位と実質経済成長率をまとめているため、参考にしてください。

順位

経済成長率

1

インド

8.2%(2023年度)

2

バングラデシュ

7.1%(2022年度)

3

フィリピン

5.7%(2021年度)

4

ベトナム

5.05%(2023年度)

5

中国

3.0% (2022年度)

6

ミャンマー

2.0%(2022年度)

出典:外務省「地域別インデックス(アジア)」より各国のデータ


2024年度における日本の実質経済成長率の見通しは、0.8%とされています。日本と比較すると、いずれのアジア・東南アジアの諸国も、高い経済成長率であることがわかります。

出典:国民経済計算(GDP統計) : 経済社会総合研究所 - 内閣府


各国の経済成長についてや、オフショア開発の特徴などについて詳しく解説します。

1位:インド

インドは、2023年度の実質経済成長率が8.2%と6か国の中で最も高く、経済成長が著しい国の一つです。

インドの経済成長率が高い要因としては以下のようなものが挙げられます。

  • 人口増加
  • 輸出の増加
  • IT産業の発展

インドは年々人口が増加しており、中でも若年層(労働人口)が増加している点が経済成長率が高くなっている要因の一つです。

インドのオフショア開発の特徴としては、技術力や英語力が高い点が挙げられます。

一方で、経済成長率の高さに伴って人件費が高騰している点はデメリットとなるでしょう。

人月単価 (万円)

プログラマー

シニアエンジニア

ブリッジSE

PM

インド

50.83(+46.41%)

68.75(+33.34%)

94.29(+38.72%)

111.43(+32.81)

出典:『オフショア開発の一般化』について|「オフショア開発白書(2023年版)」から読み解く

インドの人件費は前年と比較すると、33〜46%も高騰していることがわかります。コスト削減の目的だけだと、インドでのオフショア開発はメリットを感じにくくなっていますが、高い技術力があることを加味すると、魅力的ではあります。


2位:バングラデシュ

バングラデシュは、2022年度の実質経済成長率が7.1%と6か国の中で2番目に高く、経済成長が著しい国の一つです。

バングラデシュの経済成長率が高い要因としては、以下のようなものが挙げられます。

  • インフレの改善
  • 輸出の増加
  • 国を挙げた開発目標の設置

バングラデシュは2041年までに先進国入りするという大きな目標を掲げており、2015年には低中所得国となりました。

また、2018年には国連の後発開発途上国の卒業要件をすべて満たし、2026年に卒業予定となっています。

バングラデシュのオフショア開発における特徴は、コストの低さやIT産業の促進にあります。IT・ソフトウェア開発会社の法人税が免除される優遇措置が取られているため、新たな会社が増え委託先の幅が広くなることが期待できるでしょう。

一方で、ブリッジSEやプロジェクトマネージャーといった開発の進行をサポートするポジションの人材が不足していることから、コストが高騰している点はデメリットとなります。

日本語対応可能なブリッジSEを選定してくれるオフショア開発会社を選ぶといった、対策を行うのが有効です。


3位:フィリピン

フィリピンは長年にわたって、経済成長5〜6%台を維持しており、安定して経済発展している国です。フィリピンの経済成長率が高い要因としては、DGPの6割を占めるBPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)産業の発展が挙げられます。

また、オフショア開発に関連するフィリピンの特徴は、英語力が高い、日本との親和性が高いといった点です。一方で、、大型案件や複雑な案件の開発実績が少ないというデメリットもあります。

フィリピンのオフショア開発について詳しく知りたい方は「フィリピンオフショア開発とは?失敗しないための必要知識を解説」をご覧ください。


4位:ベトナム

ベトナムはフィリピンとほぼ同様の経済成長率5.05%で、ASEAN域内でもトップクラスの高い水準を維持している国です。ベトナムの経済成長率が高い要因としては、人口増加や外国投資の増加が挙げられます。

オフショア開発白書によると、ベトナムはオフショア開発先ランキング1位に選ばれており、48%もの企業がオフショア開発先として選定しています。

中国やインドよりも人件費が安く、時差が少ないといった理由から、多くの企業に選ばれている国です。一方で、優秀なエンジニアのコストは増加傾向にあり、以前よりも高い技術力を持った人材を確保しにくくなっているデメリットもあります。

ベトナムのオフショア開発について詳しく知りたい方は「ベトナムオフショア開発とは?失敗しないための必要知識を紹介」をご覧ください。


5位:中国

中国は他の国と比較するとやや低いものの、日本と比べると高い経済成長率を誇る国です。

20年近くにわたり経済成長率10%という高成長でしたが、2012年以降から徐々に成長率は低下しています。新型コロナウィルス感染症対策として大規模な規制を行ったことが、2023年度の経済成長率が伸び悩んだ大きな要因だと考えられます。

オフショア開発先としての中国は、高い技術力やエンジニアの数が多いといった点がメリットです。一方で、経済成長や技術力の向上により人件費が高騰している点は、デメリットとなるでしょう。


6位:ミャンマー

ミャンマーは、2000年代は経済成長率10%以上を維持していましたが、2010年代になると4〜5%台に低迷しています。さらに、クーデターの影響により、2022年度の経済成長率は2.0%と低い結果でした。

ミャンマーでのオフショア開発は、低コスト、日本語を話せるエンジニアの増加といった点でメリットがあります。人件費は本記事で紹介する6か国の中で最も低く、人件費が高騰している中国と比較すると約2分の1程度コスト削減が可能です。

一方で、オフショア開発実績が少ない点や、技術力はまだ発展途上であるといったデメリットもあります。

ミャンマーのオフショア開発について詳しく知りたい方は「ミャンマーオフショア開発とは?失敗しないための必要知識を解説」をご覧ください。


オフショア開発とは

そもそも、オフショア開発とは、国内の企業が海外企業やパートナーにソフトウェア開発を委託することです。

コストの削減や優秀なIT人材の確保を目的に行われるケースが多く、日本国内のコスト増加やIT人材不足を解消するために取り入れる企業が増えています。

オフショア開発について詳しく知りたい方は「【初心者必見】オフショア開発ガイド|メリット・デメリットなども解説」をご覧ください。


オフショア開発を導入する理由

システムやソフトウェアの開発を希望する企業がオフショア開発を導入する理由としては、主に以下の2つが挙げられます。

  • IT人材の確保
  • 開発コストの削減

それぞれの理由について詳しく解説します。


IT人材の確保

オフショア開発を導入する目的の一つはIT人材の確保にあります。

日本では少子高齢化の影響もありIT人材が不足しているため、国内での人材確保が難しくなっています。一方で、オフショア開発先として人気の高いアジア諸国ではIT人材の育成に注力している国も多く、オフショア開発を選ぶことで人材を確保しやすい点が理由の一つです。

日本のIT人材不足は今後も継続されると予想できるため、ますますオフショア開発の需要は高まるでしょう。


開発コストの削減

オフショア開発によって海外でシステムやソフトウェア開発を実施することで、開発コストを削減可能です。

国内ではIT人材不足により人件費が高騰していることも影響し、開発コストが企業の予算を圧迫しています。

一方で、アジア諸国は日本と比べて人件費が安く、2分の1以下のコストで開発できるケースもあります。


オフショア開発の相場

本記事で紹介した6か国のオフショア開発費用の相場は、以下の通りです。


人月単価 (万円)

プログラマー

シニアエンジニア

ブリッジSE

PM

中国

50.01(+20.00%)

61.79(+18.68%)

79.29(-6.48%)

92.14(7.43%)

ベトナム

40.22(+26.75%)

49.13(+23.20%)

57.73(+12.44%)

79.38(+37.00%)

フィリピン

35.83(-1.15%)

53.33(+7.46%)

81.25(+14.32%)

70.83(+7.60%)

ミャンマー

27.47(+12.25%)

54.16(+42.96%)

68.33(+40.63%)

97.50(+55.23%)

バングラデシュ

44.13(+48.90%)

46.13(+16.38%)

90.96(+30.62%)

58.63(+27.27%)

インド

50.83(+46.41%)

68.75(+33.34%)

94.29(+38.72%)

111.43(+32.81)

出典:『オフショア開発の一般化』について|「オフショア開発白書(2023年版)」から読み解く


需要の高まりや円安の影響から、全体的に人月単価は高騰している傾向にありますが、日本の人件費と比較するとオフショア開発を導入するメリットは十分あるでしょう。

オフショア開発の価格について詳しく知りたい方は「オフショア開発価格ガイド:2024年最新情報と成功戦略」をご覧ください。


オフショア開発で失敗しないための対策

オフショア開発で失敗しないための対策としては、主に以下の2つがあります。

  • 信頼できるオフショア開発先を選ぶ
  • ブリッジSEを活用する

それぞれの対策について詳しく解説します。

オフショア開発の失敗事例や対策について詳しく知りたい方は「オフショア開発の失敗を防ぐために知っておきたい重要なポイント」をご覧ください。


信頼できるオフショア開発先を選ぶ

オフショア開発先の国を選定することも重要ですが、どこの会社に依頼するのかも重要です。

オフショア開発会社によって、得意とする開発ジャンルや依頼できる国、費用感などが異なります。仮に、信頼できない会社に依頼してしまうと、プロジェクトは失敗に終わり、無駄なコストがかかってしまうでしょう。

信頼できるオフショア開発先の選び方については後ほど解説します。


ブリッジSEを活用する

オフショア開発において、両国の橋渡しとなるブリッジSEの活用は必要不可欠です。

ブリッジSEは両国のコミュニケーションを円滑にし、プロジェクトをスムーズに進める役割を担っています。具体的には、要件定義の作成や設計書の翻訳、開発の進捗管理といった業務を行います。

ブリッジSEがいることで、言語や文化の壁を乗り越えて、スムーズかつ高品質な開発が可能となるのです。


信頼できるオフショア開発先の選び方

信頼できるオフショア開発先を選ぶ際には、主に以下の2つを確認しましょう。

  • 開発実績
  • コミュニケーション能力

それぞれのポイントについて詳しく解説します。


開発実績

オフショア開発の依頼を検討している会社に、どのような実績があるのか確認することが重要です。

具体的には、同じ業種や規模、ジャンルのシステム開発実績があるかなどが着眼点になります。同業種、同規模の開発実績があると、高品質な開発が期待でき、万が一トラブルがおきた際にも迅速な対応ができる可能性が高いです。

オフショア開発会社の公式サイトで実績を公開しているケースが多いため、ぜひ確認してください。


コミュニケーション能力

海外企業やパートナーに開発を委託するオフショア開発において、コミュニケーション能力の高さは重要なポイントです。

オフショア開発では言語の壁により、コミュニケーションがうまく取れず、適切な意思疎通が測れない可能性があります。その結果、期待した成果物が納品されず、プロジェクトが失敗してしまうケースも考えられるでしょう。

オフショア開発を成功させるための会社選びでは、使用言語やコミュニケーションの手段も確認しておくことをおすすめします。

仮に、日本語や英語でのコミュニケーションができる会社であれば、言語の壁を感じにくく円滑なプロジェクト進行ができます。


まとめ

オフショア開発国の経済成長率ランキング1位はインドです。国内での開発よりもコストを抑えつつ、高い技術力を必要とする開発を検討している企業にはインドでのオフショア開発がおすすめです。

しかし、インドはコスト高騰の影響もあり、オフショア開発人気国としては3位という結果になっています。

少しでもコストを抑えたいのであれば、オフショア開発国人気ランキング1位のベトナムをおすすめします。インドよりも安いコストで、時差が少ないためリアルタイムでのコミュニケーションも可能です。

RIKAI株式会社は、ベトナムでのオフショア開発を行っている会社で、これまでに500件以上の開発実績があります。300人以上のエンジニアが在籍しており、日本語対応可能な人材も豊富です。

オフショア開発を検討中の開発担当者の方は、ぜひRIKAI株式会社にお問い合わせください。

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